執事を使いこなせる上司になろう

医局での合同ミーティング中に、副院長が多分私物の携帯電話に出ていた。

 
よっぽど緊急なのだろう。
あの真面目そうな副院長が珍しい。
だけど、直ぐに切って何だか不機嫌そうだった。
表情をあまり出さない人っぽいので、私は驚きながら見ていた。
 
医局を出て、外来に向かっていると、
凄く美人な女の人とすれ違った。
 
女の私から見ても凄く綺麗。
秘書なのか、警護の人なのか、後ろに男の人と女の人を一人ずつ従えていた。
「ユ医師。」
後ろから副院長に呼び止められた。
待ってて、と副院長に止められその場で止まった。
 
副院長がその綺麗な人と話し始める。
 
「シュリ様、今日はどうなさいましたか?」
 
「健康診断に参りまして、院長先生にご挨拶に伺おうかと。」
 
「申し訳ございません。院長は本日不在でして。」
 
「そうでしたか。でも副院長先生にお会いできてよかったです。
今日一日お世話になります。では・・。」
そう言って、会釈をしたその人は来た道を戻っていった。
 
「副院長先生の彼女ですか?」
ついポロリと余計な事を言ってしまい、思わず自分の口を押えた。
 
副院長がなんだか怖い顔をしている。
「違います。彼女はある大手企業の令嬢です。今、巷で噂になっている、チェ・ヨンの婚約者です。
暇な芸能記者が流した事実無根の噂話しですが。
それより・・・、今日は日勤で、明日は?」
 
「え・・えと、日勤で夜勤で、日勤ですが・・」
 
「そうですか。引き止めてすみませんでした。」
副院長が去って行く。私はその背中をぼんやりと見ていた。
 
勤務を何故聞かれたのかなんて、この時考える余裕がなかった。
 
あの人が彼の婚約者。
美男美女のお似合い過ぎて・・・泣けてきた。
自分とは余りにも違い過ぎるから。
 
やっぱり、彼と私の世界は違うと思った瞬間だった。
彼と同じ世界に住む、ああいう綺麗な人が隣りに居るのが合っている。
溜息と涙しか出なかった。
 
私のPHSが鳴った。
ナースからだった。
 
もう外来の診察が始まる時間だけど、
来ない私を心配して掛けて来てくれた電話だった。
 
私は天井を見上げ、大きく息を好き込むと気持ちを切り替えた。
今は彼の事は忘れよう。
患者さんが待っている。
涙を収めて、外来まで走って行った。
 
 
 
仕事が終わると屋敷に帰った。
一日経っても心の靄が晴れない。
 
もう大丈夫だとウンスは言った。
玄関のチャイムごときで青ざめ震えていて大丈夫な筈がないのに。
 
俺は重いのだろうか。
それとも抱いて無理をさせてしまったのだろうか。
 
執事のアンジェが部屋に向かう俺の後方から声を掛けた。
「ヨン様、お食事は?」
 
「いらん。」
 
「明日の夜はユ様の元に宿泊の予定でしょうか?」
 
アンジェの問いに俺は立ち止まった。
 
「いや・・・。まだ未定だ。」
 
「かしこまりました。一応外泊の準備と夕食の準備はしておきますので。」
 
そう言ってアンジェが頭を下げ、一歩下がった。
俺は自室に入ると、ベットに身を投げ出した。
 
一晩会えないだけも辛い。
 
やはり、明日もウンスのマンションに泊まろう。
一緒に食事をして、眠れるだけでいい。
 
でないと、俺の頭がおかしくなりそうだ。
ウンスが隣りに居ないと不安に胸が押しつぶされそうだった。
 
 
 
 
夜勤と日勤を終えて、くたくたになりながら帰る。
行きは彼に車に乗せてきて貰ったので、帰りはタクシ―で帰った。
 
やっぱりマンションに警護の人が立っていた。
玄関前に立つ人に話しかけてみた。
「あの・・」
「おかえりなさいませ。本日警護担当のトクマンと申します。」
「いつから立っているのですか?」
「一時間程前からです。ユ様の帰宅時間に合わせております。」
「チェ・ヨンさんは来ていないのに?」
「え?えっと、ユ様をお守りするのが任務ですので・・。」
そうよね。この人に何か言っても仕方がない事、命令で来ているのだから。
私はトクマンさんに頭を下げて部屋に入っていった。
 
このまま寝てしまいたいくらい疲れていた。
でも、お風呂だけは入りたかった。
 
仕事終わりのほっとする。
身体を洗い終えて、湯船に浸かっていると。
とても心地よくて、彼に抱き締められているみたいで・・・。
湯船に頭を乗せながらいつの間にか寝てしまっていた。
 
 
ウンス!ウンス!
ん?
バスルームの湯気の中、誰かに腕を掴まれた。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
いやだ!怖い!!誰?記者?
その人は私の身体を抱き締めて離さなかった。
「ウンス!落ち着け!俺だ!ウンス!」
 
あ・・チェ・ヨンさんだった・・・。
脚の力が抜け、湯船に落ちそうになった私を、彼の大きな手が抱き留める。
 
ドタドタと廊下を走る音が聞こえた。
浴室のドアが叩かれる。
「ヨン様!?どうなさいましたか?」
トクマンさんの声が聞こえた。
 
「何でもない。大丈夫だ。下がれ。」
 
「あの・・私・・裸だから・・・タオルを・・。」
そう言うと、彼は私の身体を一度離して、タオルを持って来てくれた。
 
「具合が悪いのではないか?浴室の前で、いくら呼んでも返答が無くて焦った。」
 
「すみません寝てしまっていただけです。私の所為で濡れてしまって。シャワーを浴びて着替えてください。
私も着替えるので・・。」
私は彼に背を向けて服を来て、彼は私の後ろで服を脱いで、バスルームに入っていった。
 

今日は来ないと思っていたから、本当にびっくりした。
忘れ物でもしたのかな。
 
部屋に戻ってミネラルウォーターをごくごくと飲んで居ると、彼がルームウェアで帰ってきた。
「チェ・ヨンさん、泊まるの?」
 
「不味いのか?」
彼に睨まれた。
怖い。
 
「でも、自分のベットで寝た方が疲れが癒えるかって・・。」
 
彼が私の隣りに座ったかと思うと、両方の肩を掴まれて、彼と真っ直ぐ向き合わさせた。
「俺が嫌いか?俺が重いのか?俺に抱かれるのが嫌なのか?どれだ?
俺が隣りに居るのを何故そんなに嫌がる。」
 
怖い・・。
「嫌がってなんか・・。単にチェ・ヨンさんが心配なだけで・・。
凄く仕事が忙しい人なのに、私の為に時間を割いたりして・・。」
 
「俺はウンスと一緒に居たいから。」
 
「でも、私はあなたのお荷物になりたくない。
私に時間を割く為に、今まで以上に仕事を詰めているんでしょ?
毎日、起きるのが辛そうだし。
あなたのペースで働いて、自分のお屋敷でゆっくり眠って欲しいの・・。」
 
彼の目が私を捉えたと、思うと、ソファに押し倒された。
「ウンスが隣りに居ないと落ち着かないし、眠れない。ウンスの隣りに居たいと言っても?」
 
「でも・・」
 
「ん?」
 
「あなたのお荷物になりたくない。あなたの仕事の妨げになりたくない。」
 
「荷物にも妨げにもなっていない。」
 
「他には?言いたいことは何でも言ってくれ。」
 
「あなたの事を考えると胸が苦しいの。」
彼が私の身体を起こして抱きしめると、背中をぽんぽんと叩いてくれる。
「それから?」
 
「私には警護は必要ないから、家の前に立たせるのは止めて。」
 
「嫌だ。危ない目にあったんだ。それは出来ない。」
 
「記者の人は来ないんでしょ?だったら、今迄の生活に戻って何も起きない。」
 
「今までの生活に戻れると思うのか?ウンスは俺の女だ。今までの生活には戻れない。
いつまた違うやつに狙われるとも限らない。」
 
「じゃあ・・・やっぱり、私を解放して。別れて。普通の生活に戻るから。」
 
「今、俺の事を考えて胸が苦しいと言わなかったか?それがなぜ別れる事になるんだ?」
 
「私は一般人だからお手伝いさんも警護の人も必要ないの。あなたとは生きている世界が違うの」
 
「別れてどうする?今までの生活に戻って、俺の事は忘れると?忘れられるのか?」
 
出来る訳ないこんなに好きなのに。
忘れるなんて・・。
 
でも、私は同じ世界に住むなんて出来ない。
 
想像しただけで、涙が止まらない。
もう何も話せなかった。
 
夜勤で疲れ切っているのと、彼の婚約者の事で頭の中がぐちゃぐちゃだった。
 
彼は泣きじゃくる私を抱きしめ、優しくキスをしてくれた。
 
それ以外は何もしなかった。
 
ベットに抱きかかえられて、後ろから抱きしめられて二人で眠った。
泣きながらも、私はいつの間にか眠りに落ちていた。
 
 
「ウンス。」
揺り起こされた。
 
彼は着替えていてネクタイを締めている所だった。
「ウンスの勤務をいちいち聞くのが面倒だから、後でコピーをくれるか、ファイルで送ってくれないか?」
 
ぼんやりとする私の髪を撫で、行って来ると言って、彼が出勤して行った。
 
泣きすぎて、瞼が腫れて重かった。
 
もう駄目だ。
好きすぎて、彼の隣りに居るのが辛い。
 
私は、テーブルの上に置いてあったスマホを取り出し。
電話を掛けた。
「あ、トギさん?朝早くからすみません。この前のお話をお受けしようかと・・。」
 
 
もう、私には彼から逃げるしかなかった。
全てを忘れ、もとの生活に戻る為に。
 
 
彼には彼の住む世界がある。それは私のずっと届かない場所。
 
その彼に見合った女(ひと)もいる。
 
 
私は、今まで通りの生活に戻るだけ。
 
彼を忘れるのにどの位の時間が必要なのだろうか。
 
それ程彼が好きだった。
 
だから、捨てられる前に私から逃げるの。
捨てられるより、自分から身を引いた方がマシな気がしたから。
 
 
 
 
急展開でごめんなさいね。
この後に最初の「貴方と私の世界1」が続く感じです。復習しておいてね??→
ウンスにはチャン・ビンの「事実無根の噂」の言葉が、全く聞こえていませんでした(´Д` )
ちなみに、婚約者と噂が流れたシュリ様は、王妃様の人です^_^
 
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今月は、ありがたいことに締切り原稿が複数あり、どれも締切りが8月末。

 

分野もそれぞれちがってて、ビジネス、ライフスタイル、医療など。

当然ながら文章のイメージが1つひとつちがいます。

 

まるで、自由研究と計算ドリルと読書感想文の追い込みをかける、小中学生のようであります(笑)

 

さて、本題に行きますね。

もしも、子どもが夏休みの宿題をまだ終わっていなかったら、今から追い込みになります。

 

子どもが集中して宿題をするために、親ができることは、「サポートに徹する」ことだと、私は思います。

 

 

手出し口出ししないで、子どものサポートに徹する。

お茶をいれたり、えんぴつをけずったり、プリント類を整理したり、まるで執事のように、はたらきましょう(笑)

 

あっちのほうが先じゃない?こうすれば?と、あえてアドバイスはしないほうが良いでしょう。

本人が一番せっぱつまってて、「てんぱってる」状態です。

 

 

祈る

もぉー祈るしかないですね~^^

「うちの息子が、宿題を8月31日までに、ちゃんと終わらせますように」

「息子が、宿題を残り3日で、楽しくできますように」

「集中して、ここ一番!の力が出せますように」

とか。

 

あとは、好きな食事メニューやおやつにする。

これは、けっこう効き目がありますよ。

「好きで美味しいもの」があると、がぜんやる気になりませんか?

 

 

「そんな過保護でいいの?」と聞こえてきそうですが、頼まれてもいないのに手出し口出しするのが過保護。サポートに徹するのは過保護ではありません。

 

 

子どもの宿題は子どものもの。

 

 

「なんで、今までやらなかったの!」

とか叱っても、悲しいかな時間はもどらないですね。

 

 

終わってみれば、あっという間の夏休み。

小学校は、大阪はあと2日、神戸はあと1週間。

 

 

2学期始まったら、あなたは一番に何がしたいですか?

 

 

 

甘やかさないで優しいママになる!

 

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